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映画『ダイアナ』 [▽▲▽映画・ドラマ▲▽▲]


ダイアナ [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • メディア: Blu-ray


総合評価:★★★☆☆
真実なんて誰にも解らないはずなので、ひとつの解釈である事が
前提での作品なのかな?

ダイアナ妃が離婚して、亡くなるまでの2年間にスポットを当てて
描かれたもので、あくまでフィクションとして観ました。
序盤はパキスタン系イギリス人の外科医との恋愛を中心に描き、
亡くなるまでは、映画監督のドディ・アルファイド氏との恋愛を
まるで外科医との恋愛をパパラッチから目を背けさせるために
利用したかのような描き方なんですが・・・・
どうにも情報操作感があって、フィクション映画としては
うーん…亡くなった人の記憶が新しすぎるのと、
あまりにもゴシップ記事が先行しすぎてて、
真実としての彼女の姿は見えてこないのが正直な所。

ナオミワッツのダイアナ妃の演技はさすがなんですけど
いかんせん脚本とか大筋が、何を聞いても嘘っぽいので
ストーリーに入れずじまいで「ホントなのかな…」と
始終疑心暗鬼になったまま最初から最後まで進んでしまう。

ただ、私がこの映画で感じたのは、ダイアナ妃は
愛されたくて、愛を乞う事ばかりに終始していて
愛されるための行動ばかりしている気がする。
慈善活動は、彼女のような影響力のある女性が進んで
行うのは正しいし、高潔な行動だし、尊敬するんだけど…
愛されたくてやっている気がしちゃう。

いや、偽善とは思わないのよ?
偽善とは言えないほどの行動力や実際に現地に赴いての
視察を熱心にやっている姿は、立派な事だと思うし
すばらしい女性で、私自身外国の人であるにも
関わらず彼女の事は、尊敬する女性の中でも
かなりの上位にいる人ではあるんだけど・・・・
人から愛されるために、躍起になっている行動のひとつに
見えてきてしまったの。

その行為自体を否定する訳ではないし、批判する気も
さらさらないんだけど…果たして彼女は
現実の中で誰かに愛されたくて、求められたくて
認めて欲しくて…自己承認欲求が人一倍強いように
思えるんだけど、それを亡くなるまでに解消できなかったように
思えるのね。

息子たち二人はね、きっと充分愛していたと思うのよ。
チャールズ皇太子も亡くなった棺の前で30分間
ずっと泣いていた…と聞くと、世界で一番愛しては
くれなかったけど、妻としては愛してくれていたと思うのよね。
だけど、彼女の望む愛って、1人の女として愛されたかっただけなので
世界中から愛されても、母として愛されても妻として愛されても
何も満たされてなかったんじゃないかと考えてしまうのよね。

逆を言えば、こんなに愛されている人なのに
女として愛される事だけを求めている…というか
それ以外「愛される」にカウントしないというか…
なんか…人生それだけが手に入らなかったものなのかなと
考えてしまう。

確かにね、不幸な結婚生活ではあったと思うのよね。
でも、愛されなかったのは、彼女が愛さなかったからとも
言えると思うの。
永遠にお姫様扱いで、永遠に情熱的な愛を…なんて
やっぱりありえない事で、彼女自身だって出来ないはず。
永遠に王子様扱いで永遠に夫ではなく男として…なんて
生活と言う基盤の中では無理でしょ?

結婚しても恋人同士でいたいなんて悠長なことが言えるのは
よっぽど経済的に余裕があって、子供や両親や親族が
一切誰もいない人たちなら成立するのかもしれないけど
家族とか一族とかで生きていく…
ましてやロイヤルファミリーなんだから、それは最初から
無理だと思わないといけないと思うのよね。

どうにも思考が少女趣味で…ディズニーファンタジーの観すぎな
気がしちゃう。
リアリティのある人生を生きてないなぁ…
そこが彼女の魅力とも言えるので、今となっては
仕方ないのかなとも思えるんだけど…
「お姫様は王子様と結婚して幸せにくらしましたとさ」で
人生は終わらないのが現実なので、彼女は結婚までしか
予想できていなかったんだなぁと思えちゃう。

つくづく思うのよね。
どんな境遇に生まれついたとしても、どんなに美しく生まれても
どんなに恵まれた境遇にいても、不幸になる事なんて
実に簡単な事で、誰にでも出来てしまうし
不幸な人生を生きる方が楽なんだよね。

幸せになるのって、実際にはパワーも努力もいるし
自分自身が強くならないといけないし
お金はかかるし、維持していくのは
並大抵な事じゃないと思うの。

だから、自分は不幸だ、恵まれてない…なんて
感じている奴は、努力もしてないし
頑張ってないヤツだし、真剣に生きてないから
そういう境遇に甘んじているだけだよ。

今の自分の姿は、自分の今までの10年の結果なんだって。
今が不満なら、次の10年後に結果が出るように
今をがむしゃらに生きるしかないんだってさ。

万年不満を感じているような人は、一度も努力した事がないし
一度も頑張ってないからなんだってよ。
そして、今の環境に感謝していないから不幸なんだって!

私はね、ダイアナ妃は傍から見ていて
満たされる事がないままだった可哀相な人に思えるの。
本当はね、息子たちにも夫にも愛されて、
本当に愛した人にも巡りあえているのに、
彼女の理想じゃなかったというだけで、
ゼロにしちゃったのは、彼女の問題だから
誰にも文句は言えないと思うのよね。

夫が自分に向いてくれないのなら、むいてもらえる
努力をしなくちゃ。
どうしたら、不倫相手のおばちゃんじゃなくて
自分の事を一番にしてくれるのか努力しなくちゃ。
それをちゃんと伝えて、どうして欲しいのか言わないと
伝わらないと思うんだよね。
それを怠っていたから、それを放棄したから
気持ちを動かせなかったんじゃないかと思う。
愛される事ばかりで、彼女自身もそこまで相手を
愛してなかったんじゃないかと思う。

本当に愛して欲しかったら、求めたらいけなくて
自分が愛し続けなくちゃいけなかったのよね。

夫に結婚前から好きな人がいるのなら、それが動かせないなら
そもそも、こういう結婚自体が無理だったんじゃないのかな?
それを選んだのだから、愛される事ばかりに血道あげてないで
愛する努力をしないと。相手のある事だからさ。

そういう意味でも不器用に生きている女性の1人として
彼女には何か哀愁を感じてしまう。
これだけの条件が揃っているので
もっと幸せになれるはずの人だったのに、
哀れに思われてしまうって、なんだか人生って
哀しい事の方が多いのかもしれないけど
たまらないよね。

でもね、信じて欲しいんだよなぁ…
女として愛されるだけの人生よりも
もっと深い愛情を得た人生だったのだし
今も愛されているのだから、幸福な人生だったと
思うのよね。

うーんでも、それを彼女が一番には求めてなかった…というのが
そもそもの不幸なのかもね。


ダイアナ [DVD]

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