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映画『紙の月』 [▽▲▽映画・ドラマ▲▽▲]


紙の月 Blu-ray スタンダード・エディション

紙の月 Blu-ray スタンダード・エディション

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: Blu-ray


総合評価:★★☆☆☆
角田光代さんの原作なんでちょっと期待してた…
実は話題になってたけど、どういう話なのかは
まったく予備知識がなくて、どこへ向かっていく話なのか
さっぱり見当もつかずに観てしまいました。
ただ、この映画で宮沢りえが、体当たり演技で
日本アカデミー賞を受賞したとか、最も美しい横領犯とかいう
キャッチコピーは入ってたので、予想の範疇の話では
あったのかもしれないんだけど・・・・

冒頭から、演出がすごく良くて、満員電車の中に
1人黙って乗っている主人公の隣に新聞を読んでいる男が
いるんだけど、降りる瞬間に男が「じゃあ」と声を
かける事で、この2人が夫婦だって驚くのだ。

そう、多くの男がそうであるように、夫は自分の事で頭がいっぱい。
オレ以外に興味ナシ!っていう男は多いらしいので、
さほど珍しくもなければ悪い夫でもないし、
別段何か問題なんかないと思うんだけど・・・・
ま、主人公は自分中心に世界が回ってないと嫌っていう
これまた別段めずらしくもない自己愛の強い女なので
そういう男に日々不満がちょっとずつ蓄積してたんだろうね。

設定は、バブルはじけたばかりの1994年。
主人公のリカは、子供もいないので契約社員で銀行勤めになり
毎日夫と共に通勤電車に揺られながら、銀行員として
働いているわけだ。
女子ばかりの銀行員なので、仕方ないんですが
美人で外見のいい彼女が営業に行くと、難攻不落の
年寄から、国債を買ってもらうと言う成果を得て
周囲は「美人だから」と流すんですが・・・・

1994年と言えば、私が突然会社をクビになり
漫画業界に踏み入れた年なのだ(・_・;)
バブル期の最後の最後に就職した会社だったけど
私が入社してまもなくバブルが崩壊して、一気に業績が落ちて
最後は倒産となったのですが、私はその少し前に
人員整理と言う形でクビになったのだ。
リストラってやつで、会長は他の社員に脅しをかける為に
人身御供に私と、入社したての人柄の良いおじさんを選んだの。

リストラするほどには追い詰められていない会社だったけど
(なんせ半年に1~2日しか来ない会長の息子、50歳が
役員給料でものすごい金額を手に出来てたので)
でも、それから本当にまもなくして業績不振になっていき、
そこへカリスマ会長が亡くなり、私がリストラされて2年も
たたないうちに会社はつぶれてしまったのだ。
ただし、社員には大量のありえない退職金と慰謝料が手に入るほど
まだ余裕ぶっこいていられるほど悠長な時期だったのよね~。

だから、この映画の中でも年寄はまだバブルの残り火で
金を持っているんで、銀行はとにかく年寄を相手に
どんどん貯金をさせるという営業方法をとっていたって
事なんだろうね。

まあ・・・今や不況と言われながらも電話の詐欺で
年寄から何百万も巻き上げる事が出来る訳だから、
日本の年寄は使わないお金が有り余っている人が多いって
事なのかもしれないね。
それこそ、闇社会の資金源にされるほどの財源って事に
なっちゃっているんだろうね。

それで、主人公のリカは営業先の老人の家で知り合った
孫息子の大学生と駅で再会して以来、肉体関係に溺れて
彼に金をつぎ込んでは、意味もなく豪遊して
身につけるものすべてがハデになっていく・・・・って
話なんだけど・・・・・

うーん…宮沢りえが痩せすぎてて、年よりもかなり老けて見えるし
体当たり演技なんだとは思うけど、この映画にそこは必要ない気が
しちゃった。

そして、大学生と言うけど池松壮亮が、私には中学生くらいにしか
見えなかった(゚Д゚;)
なので、ベットシーンもキモチワルすぎて早送りΣ(゚д゚lll)ガーン
私、やっぱり子供が好きじゃないので年下の男ってダメみたい(・_・;)
途中でこの大学生と歩いている所を、大学生の女の子たちと
遭遇しちゃうシーンがあるんだけど、「お姉さん?キレイ…」と言うけど
どう見ても親子にしか見えない(・_・;)
宮沢りえは、老けすぎてて、池松壮亮は童顔過ぎて、私には親子に
見えちゃったので、ここで一気に冷めてしまったの(・_・;)

そして、・・・・・・・・・・・・・宮沢りえってもっとキレイな
はずだし、美人だと思うんだけど・・・・この映画では
キレイに見えなかったのだ。何でだろう。
年下の男に貢いでいって、お金でしか恋愛が出来ないと言う
幼稚な思考なんだけど、どんどん服や雰囲気が変わっていって
どんどん堕ちていくはずなのに、基本ベースが美人なので
急激にハデになっていっても違和感ないというか
元の役を無理やり地味にしていただけなので、元の方が違和感あった。

そして、こんな美人なら自分がキレイでモテる事を熟知しているので
地味になんかならない気がする・・・・。
そして、夫が自分に関心がないのなんて我慢してないので
とっくに離婚して、自分をチヤホヤしてくれる男を
次々と探すと思う・・・・。だって、男にとって女は性格の悪さも
下半身のだらしなさも、むしろ魅力になる人多いもん。

そう考えると、うーん…どうも机上の空論っぽくなっちゃった映画だなって
ちょっと残念。角田光代さんの文章だときっと説得力があったんだと思う。
あの、透明感のある文章と暗い話でも何故か光の中で展開しちゃうような
雰囲気が、こういう話でもきっと説得力を産むだろうから。
映像化しちゃうと、地味な女がハデになっていく過程は難しいよね。
だって、女優さんはキレイな人しかいないからさ。

どうだろう・・・キャスティングの池松壮亮がもっと背が高くて
ハンサムだったら(いや、充分ハンサムだとは思うけど)
地味な女が引け目を感じてどんどん金を貢いで行くのも解るけど
子供にしか見えないので、こんな子に貢ぐかなぁ・・・と首を
かしげちゃうんだけどね。
そういうのが狙いだと言えばそうなんだろうけどね。
でも、私には別に宮沢りえが脱ぐ必要性も感じなかったし
キレイにも見えなかったところで、さして見返したい映画には
ならなかったんだよね・・・。

「八日目の蝉」なんか何度見返しても号泣だったのになぁ(´-ω-`)


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