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絵柄のハナシ [☆☆☆お仕事☆☆☆]

こたつも片付けてしまい、冬物のあったかグッズも一通りしまってるので
ここ数日やたら寒い。
うーん・・・風邪ひくわけにはいかないのだよ・・・今は・・・
ってな訳で、冬物を再度引っ張り出しているのですが
困ったな~も~。

本当は先月に終わらせて次の作業にかかりたかったのですが
ちょっと家族が入院していたり、自分の用事でゴタゴタしていて
作業がすっかり4月にもつれ込んでしまった。
いや、そうじゃないな。
こういう事をこなしていてもきちんとできる人は出来るのだ。

うーん…想像以上にいつもよりも下絵に手こずっていたのは確か。
絵柄を変えて描いているので、安定しないんですけどね・・・
とはいえ、きっと読み手には解らない事なので
自己満足みたいなものなんですけど・・・・
瞳の描き方を変えたんですが、
うーん・・・
ちょっと古い絵柄になった気がする…・・・?

少女誌の頃、デビューが遅かった私は「絵が古い」という指摘を受けて
絵柄を大改造したのです。
当時の私の絵を知る人は、ある時から変わった絵柄に驚いたと言うのですが・・・・
正直言うと、当時の私は変えてよかったのかどうかも解らないまま
描き続けていたような気がする・・・。自信がなかったので。

自覚はないけど、今も私の絵柄はやっぱり集英社カラー丸出しらしい。
私が言ったのではないですよ?そう言われたのです。
いや、そういわれ続けているのです。
おかしなもので、集英社にいる頃は、集英社らしくない絵柄だと
言われていたのに、出てみたらやっぱりカラーはついているもんなんですよね・・・。

昔アシに行った先生に
「マーガレット系の絵柄って、普段漫画を読まない人向けの絵柄だから
オタクとか年寄りだと好き嫌いあるから、フリーになるなら変えないと厳しいかもね」
とは言われていたものの・・・
ただでさえ安定してない絵柄なので、変えるにしてもどうしたものかと
実は思案中で、完全には変えられずにいたりします。
それに、自分がそんなに「マーガレット系」だとは思ってなかったので、
深刻でもなかったというのが正直なトコロなのかも。

おかしいなあ・・・私は自分がオタクである自覚があったので
もっとオタク向けの絵柄になりたかったはずなのになあ・・・
何でこんな事になっちゃっているんでしょうかね・・・。

私がデビューした頃は、15年前・・・世間的にはオタクに市民権はなくて
軽蔑されていたり、バカにされていたし、アシスタント先の先生でも
「うちのアシスタントにオタクはいらない」と言い切る人もいました。
(なので私以外の人はコミケに行っている事や同人誌をやっている事を秘密にしていた)
私は、オタクだという自覚はあったけど、コミケには行ってないので
何でこんなに蔑視しているんだろうという疑問はあったけど、
時代的に、なんとなくこういう扱いを受けるのが普通の時代だったので
スルーしちゃってた。

ところが・・・最近20代のアシスタントさんと遭遇すると、彼女の高校では
クラスの半分くらいがアニメや漫画を好きでいるのが当たり前だったらしく
隠すこともなく、こんなふうに否定されたり、蔑視されることなく
真正面から漫画やアニメを好きだと公言しているので、
世代の差なのかなあ・・・と同年代のスタッフさんとため息でした。
特別オタクっぽい感じの子じゃないんですよ・・・?
つまりは、彼女の世代にとっては本当に普通だったって事なんですよね。

私たちの世代はクラスでそんなアニメなんか見ていたらいじめの対象で
私もクラスで漫画読んでいたり、ましてや描いてなんかいようものなら
ばい菌扱いの時代だったんですよね・・・。
スタッフさんなんか、地方在住だったので確立はさらに低くなり
近所にもいなかったので、同人誌仲間は遠方に作るしかなかったと言うので
そうだよな・・・いつのまにか市民権得たよね。

と思えば、私よりも10歳年上の高知出身のアシスタント仲間の話によれば
高知は日本でも漫画に関しての人口が多くて、近所にも漫画家がいたり
派閥を作るほどの人数がいたというから驚きで、地域もあるのかも
しれないけど、いつのまにか漫画家が市民権得れたのよね・・・。

まあ、もともと何故私の世代の漫画やアニメ文化が差別されていたという背景には
日本国中を震撼させた「連続幼女殺人事件」の犯人がオタクであったという事が
大きくて、こいつのせいで本当に迷惑こいた・・・。
でも、この犯人が出る前からも、ちょっと自分が漫画好きである事は
隠していた気がするので、やっぱり今みたいな市民権はなかったのよね。

もちろん、私の母は大反対で、描いていようものなら画材からコミックスから
描いた作品から全部目の前でビリビリに破かれて捨てられてしまう。
それでも描いてたけど、見つかると全部破いて目の前で、
下手くそで才能がないと殴る蹴るの暴力と共に罵られた。
イスに座れなくなるほどの暴力で、止めないといけないほどの
事だったようだ。

漫画家イコール「貧乏」、全ての価値観が金である彼女には
儲からない仕事なんか絶対に認められないって事なのだな。
人生において、何度もこれをやられているので
私には過去の作品は一作も残ってない訳。
それで、叔母の家に逃げ込んでしまって以来
母とは絶縁して20年以上たつんだけど・・・・
要は、それくらい漫画に関しては市民権がなかったって事なんだよね。

友人が自虐ネタに自分の古い作品を見せてくれながら
「見てみて、私ったらバカでさ~これでデビューできると思ってたんだよ~」という
正直下手な原稿(もちろん、今はプロで上手なんだよ(笑)?)を見せると言う
ネタが自分では出来ないのが残念だな~♪

こんな時代になって生きにくいのか、生きやすくなったのか
まだよく解らないのが正直なトコロかな~
市民権得すぎて、漫画家希望者も多くなったし、個性が嫌われるようにもなったので
これが果たしていいのかどうかも良く解らないけど、とりあえず自分が
描けるものを描くしかないのが現状なのかな。

でも、自分が選んで自分が頑張ってきたと堂々と言える唯一の事だしね。
少しでも面白いものを描けるように日々精進するしかないのよね。

しかしな~いいかげん上手くなれないもんですかね(笑)
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