SSブログ

『ツタン・カーメン』 [★☆★本・コミックス★☆☆]

今日はハワードカーター生誕138周年という事で・・・

425px-Tutanchamun_Maske.jpg
山岸凉子先生の描いた『ツタンカーメン』買ったのは
10年以上前の事ですけど、ちょっと気になって読み直したのですが
やっぱり素晴らしい(ノ_<。)

実は私は、エジプトのピラミッドとかスフィンクスが好きで
(父が好きだった事もあって子供の頃から見ていた)
TVでやる度に見ていたのですが、それは今も変わりません。
大昔に『知ってるつもり?』という、私の好きそうな伝記番組があって、
毎週一人の偉人にスポットをあてていくのですが、今の30代から上の世代は
記憶にあると思いますが(とっても好きな番組だったのに終っちゃって悲しかった)
それでハワード・カーターを取り上げた回があったのです。
それを見てから興味はますます深まったと思います。

考古学に興味のある人なら、有名な人なので知っていると思いますが
彼があの黄金のマスクで有名なツタンカーメンの発見者であり
その後の学術調査や研究をした人なのです。

考古学者というのは、いわゆるオタクで専門バカな所があるので
どうも漫画描いている自分たちと近い存在です(笑)
でも、どこかロマンチストでいいなあと思う部分なんですが
吉村作治先生なんか、発掘という作業や高価な価値のあるものを
発見するというよりも、そこに生きていた『人間』の姿を
思い描く事の方が価値のある事だっていう見解が
話聞いているとキュンとしますからね(笑)←知り合いだったら猛アタックかける(笑)

そのハワード・カーターも考古学者なので人付き合いも下手で
口下手で不器用な人だったみたいですが、私がさらにキュンとするのは
ハワード・カーターと彼のスポンサーで王家の谷の発掘権の出資者である
カーナボン卿の娘、イヴリンとの純愛にあったりします。(ノ_<。)

漫画でも描かれていますが、お互いとても惹かれあっているのに
身分の違いや、年齢の違いから気持ちを通わせながらも
結ばれる事がないままだったのですが、残されたイヴリンの手紙などから
本当にかわいい純愛が垣間見えるのです。

ハワード・カーターはその時37歳。イヴリンは17歳。
20歳の壁は大きく、身分の差に阻まれて一緒になる事は
叶わなかったのです。

TVで紹介されていたイヴリンの手紙の一文に
体調を崩したカーターへ

『私がどんなに看病が上手なのか、ご存知ないの?
                  すぐに 傍に行ってさしあげたいわ』

ね?この一文で彼女がひたむきに気持ちを抑えつつ
彼を愛しているかが伺えるでしょ?

当のハワード・カーターもツタンカーメンの黄金のマスクや
150点以上に及ぶ宝石類目の前に
棺の中に納められていたヤグルマギクの花束を見て
瞬時にそれが、彼の妻であるアンケセナーメンの供えたものだと
判断して「黄金の輝きよりも、その枯れた花のほうが美しい」と
つぶやくのです。

アンケセナーメンとツタンカーメンはとても仲が良くて
残された黄金の玉座に描かれた二人の絵では(下の写真参照)
二人が黄金のサンダルを半分コして片方ずつはいています。
20100910224524884.jpg
色々な説があってツタンカーメンの暗殺を手引きしたのは
アンケセナーメンという説もあったりしますが、残された数々の遺品には
仲むつまじい二人の姿が描かれている事や、
ヤグルマギクを棺に入れる事が出来る唯一の女性が彼女であった事などから
私も仲が良かったんじゃないかと思いたいです。

ハワード・カーターは研究によって当時のツタンカーメンの生活や
時代背景などを検証して行ったというのに、自分が死後70年もたって
ツタンカーメンと同じように、生きた軌跡を辿られるのですから
人間ってやっぱり過去の人たちの礎(いしずえ)の上に成り立って
生きていくんだなって、ちょっと感動した。

そのハワードカーターの功績を漫画にしたのが、この作品ですが
ヤグルマギクや、イヴリンの手紙の事などは、
残念ながら描かれていませんが、これをこうやって一人の実在した人を
描いてしまうすごさが山岸先生のすごい所ですよね・・・。
山岸先生の人物にはリアリティがあるので、まるで山岸先生が
見てきたかのようなリアルさがあるのです。
何作か伝記モノみたいな作品がありますが
私はこれと、『白眼子』『黒鳥‐ブラックスワン‐』が好きです。
何度も読み返しちゃう。


ツタンカーメン (1) (潮漫画文庫)

ツタンカーメン (1) (潮漫画文庫)

  • 作者: 山岸 凉子
  • 出版社/メーカー: 潮出版社
  • 発売日: 2002/06
  • メディア: 文庫



ツタンカーメン (2) (潮漫画文庫)

ツタンカーメン (2) (潮漫画文庫)

  • 作者: 山岸 凉子
  • 出版社/メーカー: 潮出版社
  • 発売日: 2002/08
  • メディア: 文庫



ツタンカーメン (3) (潮漫画文庫)

ツタンカーメン (3) (潮漫画文庫)

  • 作者: 山岸 凉子
  • 出版社/メーカー: 潮出版社
  • 発売日: 2002/10
  • メディア: 文庫



黒鳥―ブラック・スワン (白泉社文庫)

黒鳥―ブラック・スワン (白泉社文庫)

  • 作者: 山岸 凉子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 1999/03
  • メディア: 文庫



白眼子 (潮漫画文庫)

白眼子 (潮漫画文庫)

  • 作者: 山岸 凉子
  • 出版社/メーカー: 潮出版社
  • 発売日: 2006/06
  • メディア: 文庫



nice!(2) 
共通テーマ:コミック

nice! 2

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。